お下がりの時計
時計がちぎれました
就職祝いと言われて渡された親父のお下がりの時計。
今までありがとう。
「就職祝いなのにお下がりなんて……」そっから続く母の小言
そんなやりとりもあって、貰って1年ほど使ってやらなくて悪かったな。
今ではそんな嫌な思い出も、仕事での酸いも甘いも引っ括めて、パートナーって呼べる存在になってたのかもしれない。
親父も同じようにコイツとがんばって来たんだろう。
そういえば親父と仕事の話とか、したことなかったな。
コイツの話のついでにいつか聞いてみたいな。
俺の不注意でちぎってしまって悪かったな。新しい時計が来るまで、もう少しがんばってくれ
幸いベルトの穴が1つだけ残ってくれた。腕時計としては使えないかもしれないが、御守りとして身に付けておこう
おつかれさん